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相続で不動産の査定書が必要なときの取り方と使い方を解説

相続で不動産を分けることになり、「査定書が必要だと言われたけれど、どこでどう取ればいいの?

」と困っていませんか。

遺産分割の話し合いや、相続の手続きで、不動産の価値を示す査定書が必要になる場面はよくあります。

この記事では、不動産を扱う会社の立場から、相続で査定書が必要なときの、具体的な取り方と使い方を解説します。どこに頼むか、費用はいくらか、どんな書類がいるか、そして取った査定書をどう使うかまで、必要な人がすぐ動けるように整理しました。

結論:不動産会社に無料で依頼できる。まず匿名査定で目安を

先に結論をお伝えすると、相続の遺産分割で使う査定書は、不動産会社に無料で作ってもらえます。話し合い(協議)で分けるなら、この無料の査定書で足りることがほとんどです。

ただし、いきなり不動産会社に連絡する前に、まず匿名査定で価値の目安をつかんでおくと、話がスムーズです。

相続人それぞれが相場観を持てますし、後で出てくる査定書の金額が妥当かも判断できます。

まず匿名査定で目安、次に不動産会社で正式な査定書、という流れが基本です。

ここがポイント

基本の流れは「匿名査定で相場観を把握 → 不動産会社に正式な査定書を依頼」の2ステップ。最初から個人情報を出す必要はありません。

相続の査定書はどこで取る?

査定書を取る依頼先は、主に2つあります。目的によって使い分けます。

不動産会社(無料)

遺産分割の話し合いで使うなら、不動産会社の無料の査定書で十分です。

不動産会社は、査定額の根拠を示すことが法律(宅地建物取引業法)で義務づけられているため、依頼すれば査定書を作ってもらえます。

相続後に売却も考えているなら、そのまま相談できて便利です。

不動産鑑定士(有料)

話し合いがまとまらず、家庭裁判所の調停・裁判に進む場合は、法的な効力のある「不動産鑑定評価書」が必要になることがあります。

これは不動産鑑定士に依頼するもので、費用は20〜30万円程度、作成に2週間ほどかかります。まずは無料の査定書で進め、揉めたら鑑定を検討する、という順序で構いません。

査定書を取る手順

不動産会社に査定書を依頼する手順を見ていきましょう。

手順1:まず匿名査定で目安をつかむ

最初に、匿名査定で不動産の価値の目安を調べます。相続人が知られずに相場観を持てるので、話し合いの準備になります。

手順2:必要書類を用意する

査定をスムーズにするため、書類を用意します。

主に、登記済証(権利証)または登記識別情報、公図や測量図(土地・戸建ての場合)などです。

すべて揃わなくても査定は依頼できますが、あると精度が上がります。

手順3:不動産会社に訪問査定を依頼する

査定書には、現地を見る「訪問査定」が基本です。

相続に理解のある不動産会社を選び、訪問査定を依頼します。

より正確な価値を出してもらえます。

手順4:複数社に依頼して比べる

できれば、複数の不動産会社に依頼しましょう。同じ物件でも会社によって査定額に差が出る(数百万円変わることも)ため、複数社を比べることで、相続人全員が納得しやすい客観的な価値がつかめます。

ここがポイント

訪問査定は「現地を見てもらう」ことで精度が上がります。机上査定(資料のみ)より正確な価値が出るため、相続での利用には訪問査定を選ぶのがおすすめです。

複数社から査定書を取る手段

複数の不動産会社から査定書を取りたいとき、1社ずつ問い合わせるほかに、「一括査定」を使う方法もあります。

一度の入力で複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので、複数社の査定書を効率よく集められます。

相続で客観的な価値を示したいときには、現実的な選択肢のひとつです。

ただし、一括査定は氏名・電話番号などの個人情報を入力するため、複数の会社から営業の連絡が来る点は理解しておいてください

相続でまだ売ると決めていない段階なら、まず匿名査定で目安をつかみ、正式な査定書が必要になった段階で一括査定を使う、という順序だと、営業対応の負担を抑えられます。連絡方法をメールに指定する、依頼先を絞る、といった工夫も有効です。

取った査定書の使い方

取得した査定書は、相続の場面でこう使います。

遺産分割協議書の根拠にする

相続人で分け方を決めたら、遺産分割協議書にまとめます。その際、不動産の価値をいくらとしたか、その根拠として査定書を使います。

換価分割(売って分ける)なら売り出し価格の目安に、代償分割(一人が相続し他に現金を払う)なら代償金の計算根拠に使えます。

相続人の間で共有する

査定書の金額を相続人全員で共有すると、「なぜこの価値なのか」が明確になり、話し合いが揉めにくくなります。複数社の査定書があれば、より客観的です。

注意点|相続税や登記は専門家へ

査定書の取り方とは別に、相続では注意点があります。

注意点

不動産会社の査定書は「売れそうな価格(時価)」を示すもので、法的な効力はありません。調停・裁判で証拠にするには、鑑定評価書が必要です。

また、相続税の計算に使う「相続税評価額」は、査定書の時価とは別の価格(路線価などで計算)で、これは税理士の領域です。

相続登記(名義変更)は司法書士、揉めた場合の交渉は弁護士、と専門的な部分はそれぞれの専門家に相談してください。

査定書はあくまで「遺産分割の話し合いで価値を示す」ためのもの、と理解しておきましょう。

具体例で見る、相続の査定書を取る流れ

相続の査定書を取る流れを、具体例で見てみましょう。父が亡くなり、実家(土地・建物)を兄弟2人で相続するケースです。

まず匿名査定で目安をつかむ

兄弟それぞれが匿名査定で実家を調べたら、2,800万円前後という結果が出たとします。

この時点で「だいたい2,800万円くらいの価値」と共通認識ができ、話し合いの土台になります。

ここまでは誰にも連絡せず、無料でできます。

分け方の方針を決めて査定書を取る

兄弟で「売って分けよう(換価分割)」と決めたら、不動産会社に訪問査定を依頼し、正式な査定書を取ります。

2〜3社に依頼したところ、A社2,750万円、B社2,850万円、C社2,800万円という査定書が出たとします。

3社が近い金額なので、「2,800万円前後が妥当な価値」と、客観的に確認できます。

査定書を協議書の根拠にする

この査定書をもとに、遺産分割協議書に「実家の価値を2,800万円とする」と記載し、売って得た代金を2人で1,400万円ずつ分ける、といった形でまとめます。

査定書があることで、後から「あの評価は不当だった」と揉めることを防げます。もし代償分割(兄が実家に住み、弟に現金を払う)なら、この2,800万円をもとに代償金1,400万円を計算する、という使い方になります。

よくある質問

相続の査定書は無料で取れますか

不動産会社に依頼すれば、無料で作ってもらえます。

話し合いで分けるなら、この無料の査定書で十分なことがほとんどです。

調停・裁判で使う法的効力のある鑑定評価書は、不動産鑑定士に有料(20〜30万円程度)で依頼します。

査定書を取るのに何の書類が必要ですか

主に、登記済証(権利証)または登記識別情報、土地・戸建てなら公図や測量図があるとスムーズです。すべて揃わなくても査定は依頼できますが、あると精度が上がります。

査定書は何社から取ればいいですか

できれば複数社(2〜3社以上)がおすすめです。会社によって査定額に差が出るため、複数を比べることで、相続人が納得しやすい客観的な価値がつかめます。

相続税の申告にもこの査定書を使いますか

使いません。

相続税は「相続税評価額」(路線価などで計算)を使い、査定書の時価とは別物です。

相続税の計算・申告は税理士に依頼してください。

査定書は主に遺産分割の話し合いで使います。

売る予定がなくても査定書を取っていいですか

問題ありません。

相続では、売らずに一人が住み続ける場合でも、遺産分割で公平に分けるために価値を把握する必要があります。

まず匿名査定で目安をつかみ、話し合いに正式な根拠が必要なら不動産会社の査定書を取る、という流れで大丈夫です。

査定書の作成にどれくらい時間がかかりますか

不動産会社の訪問査定なら、訪問から数日〜1週間程度で査定書が出ることが多いです。

有料の鑑定評価書は2週間ほどかかります。

相続には期限のある手続き(相続登記や相続税申告など)もあるので、早めに動くと安心です。

まとめ

相続の遺産分割で使う査定書は、不動産会社に無料で作ってもらえます

まず匿名査定で価値の目安をつかみ、必要書類を用意して、複数の不動産会社に訪問査定を依頼するのが基本の流れです。

取った査定書は、遺産分割協議書の根拠や、代償金の計算に使えます。

  • 話し合いで分けるなら無料の査定書で足りる
  • 調停・裁判に進むなら鑑定評価書(有料)が必要
  • 相続税は税理士、登記は司法書士、と専門的な部分は分けて相談する

まずは、遺産分割の土台になる不動産の価値を、匿名査定で調べてみてください。

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