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遺産分割協議書用の査定書の作成方法|依頼先と費用を解説

遺産分割協議書を作るとき、不動産の評価額をいくらにするかは、相続人の取り分を左右する重要なポイントです。その評価額の根拠として、査定書を用意する場面がよくあります。

「協議書に不動産の金額をどう書けばいい?

」「査定書はどう用意する?

」と迷っている方に向けて、協議書作成の視点から整理します。

この記事では、不動産を扱う会社の立場から、遺産分割協議書用の査定書の作成方法と、協議書への評価額の書き方を解説します。査定書の取り方そのものの詳細は別記事に譲り、ここでは「協議書を作る」という目的に絞って、依頼先・費用・記載方法・分割方法別の注意点まで整理しました。

結論:協議書の評価額は合意できればよい。査定書はその根拠

先に結論をお伝えすると、遺産分割協議書に記載する不動産の評価額は、相続人全員が合意できれば、どの評価方法を使ってもかまいません。査定書は、その評価額に相続人全員が納得するための「客観的な根拠」として使います。

遺産分割で使う評価額は、主に「実勢価格(実際に売れる価格)」か「相続税評価額」のどちらかです。実勢価格を使うなら、不動産会社の査定書がその根拠になります。

まず匿名査定で目安をつかんでおくと、相続人が共通の相場観を持てて、話し合いがスムーズです。査定書は、その相場を客観的な書面として示すもの、と考えてください。

協議書に使う不動産の評価額の種類

遺産分割協議書に記載する評価額には、いくつかの選択肢があります。それぞれ性質が違います。

実勢価格(時価)

実際に売れる価格です。

もっとも実態に近く、公平な分割ができます。

ただし、実際に売ってみないと正確にはわからないため、不動産会社の査定書で目安を示します。

査定書はこの実勢価格の根拠として使われます。

相続税評価額

相続税の計算に使う価格(土地は路線価など)で、実勢価格より低めに出ます。手軽に算出でき、実務上はこれをベースに分割することも多いですが、実勢価格とは差があります。

公示地価・固定資産税評価額

より客観的な数値を使いたいときの参考として、公示地価や固定資産税評価額を用いることもあります。

ここがポイント

大切なのは、どの評価額を使うかを相続人全員で合意することです。

評価方法によって金額が変わり、取り分に影響するため、ここで意見が分かれることがあります。

査定書という客観的な書面があると、合意の材料になります。

協議書用の査定書の作成方法

協議書に使う査定書を用意する流れを、簡潔に説明します。

依頼先と費用

話し合いで分けるなら、不動産会社の無料の査定書で十分です。不動産会社は査定額の根拠を示す義務があるため、依頼すれば査定書を作ってもらえます。

一方、協議がまとまらず調停・裁判に進む場合は、法的効力のある不動産鑑定士の鑑定評価書(20〜30万円程度)が必要になることがあります。

複数社に依頼するとよい

査定額は会社によって差が出るため、複数社に依頼すると、相続人が納得しやすい客観的な評価になります。査定書の取り方の詳しい手順(必要書類や訪問査定の受け方など)は、相続の査定書の取り方を解説した記事も参考にしてください。

ここがポイント

査定書は不動産会社に依頼すれば無料で作成してもらえます。複数社(2〜3社)に依頼することで、相続人全員が納得しやすい客観的な評価額を示せます。

分割方法別|協議書への評価額の書き方

遺産分割の方法によって、査定書の使い方と協議書への書き方が変わります。ここが協議書作成のポイントです。

換価分割の場合

不動産を売って代金を分ける「換価分割」では、協議書に「不動産を売却し、その代金から費用を引いた残りを、各相続人が○分の1ずつ取得する」と記載します。

この場合、実際に売れた価格で分けるので、査定書は売り出し価格を決める目安として使います。協議書に固定の金額を書き込むというより、割合(2分の1など)を記載するのが一般的です

代償分割の場合

一人が不動産を相続し、他の相続人に現金(代償金)を払う「代償分割」では、査定書の評価額が代償金の計算根拠になります。ここで注意したいのが、評価方法で相続人の利害が対立しやすいことです。

代償金を払う側は評価額を低くしたい(相続税評価額を選びたい)、受け取る側は高くしたい(実勢価格を選びたい)、という対立が起きがちです。査定書という客観的な書面が、この対立を和らげる材料になります。

注意点

代償分割の協議書には「代償として金銭を支払う」旨を明記することが重要です。

これを書かないと、支払った代償金が贈与とみなされ、贈与税がかかる恐れがあります。

金額の根拠(査定書)とあわせて、この記載を忘れないようにしましょう。

注意点|評価の基準時と専門家への相談

協議書用の査定書で、さらに知っておきたい注意点です。

ひとつは、評価の「基準時」です。

不動産の価値は変動するため、いつ時点の評価額かが問題になります。

特に相続開始(被相続人の死亡)から時間が経っている場合、相続開始時の価値か、分割時(今)の価値かで金額が変わり、代償金にも影響します。

この点は相続人間で確認しておきましょう。

もうひとつ、不動産の評価や協議書の作成は専門性が高い領域です。

査定書で価値の目安をつかむのは自分でできますが、相続税の計算は税理士、協議書の法的なチェックや揉めた場合の対応は弁護士、相続登記は司法書士、と専門的な部分はそれぞれの専門家に相談するのが安全です。

査定書はあくまで「協議書の評価額の根拠を示す」ためのもの、と位置づけてください。

具体例で見る、協議書用の査定書の使い方

協議書用の査定書がどう使われるか、具体例で見てみましょう。実家(不動産)を兄弟2人で相続し、兄が住み続けるケース(代償分割)です。

査定書で評価額を確定する

まず匿名査定で目安をつかんだうえで、不動産会社2〜3社に査定書を依頼したところ、実勢価格でおよそ3,000万円という評価が出たとします。兄弟でこの3,000万円を評価額とすることに合意すれば、これが代償金の計算根拠になります。

代償金を計算して協議書に書く

兄が実家(3,000万円)を相続し、弟に代償金を払う場合、弟の取り分は2分の1の1,500万円。協議書には「長男が下記不動産を取得する。

長男は代償として次男に金1,500万円を支払う」と、代償である旨を明記して記載します。

この記載があることで、1,500万円が贈与とみなされず、贈与税を避けられます。

査定書は、この1,500万円という金額の根拠として保管しておきます。

揉めたら鑑定も視野に

もし弟が「3,000万円は安い、もっと高いはずだ」と主張して合意できない場合は、複数社の査定書を示して話し合うか、それでもまとまらなければ、不動産鑑定士の鑑定評価書を取る、あるいは調停に進む、という流れになります。まずは客観的な査定書で合意を目指すのが、円滑な進め方です。

よくある質問

遺産分割協議書の不動産評価額は、どう決めればいいですか

相続人全員が合意すれば、どの評価方法でもかまいません。

実勢価格(査定書が根拠)か相続税評価額を使うことが多いです。

評価額で取り分が変わるため、査定書などの客観的な根拠をもとに、全員で合意することが大切です。

協議書用の査定書は無料で取れますか

不動産会社に依頼すれば無料で作ってもらえます。

話し合いで分けるなら、これで十分なことが多いです。

調停・裁判に進む場合は、法的効力のある鑑定評価書(不動産鑑定士、20〜30万円程度)が必要になることがあります。

代償分割の協議書で気をつけることは何ですか

「代償として金銭を支払う」旨を明記することです。

これを書かないと、代償金が贈与とみなされ贈与税がかかる恐れがあります。

また、評価方法で相続人の利害が対立しやすいので、査定書という客観的な根拠をもとに合意することが大切です。

査定書の金額を協議書にそのまま書きますか

代償分割では、合意した評価額をもとに代償金を計算して記載します。

換価分割では、実際に売れた価格で分けるため、金額より割合(2分の1など)を記載するのが一般的です。

分割方法によって書き方が変わります。

まとめ

遺産分割協議書に記載する不動産の評価額は、相続人全員が合意すればどの方法でもよく、査定書はその評価額に納得するための客観的な根拠として使います。話し合いで分けるなら不動産会社の無料の査定書で十分で、複数社に依頼すると納得感が高まります。

  • 換価分割では割合を協議書に記載する
  • 代償分割では査定書の評価額をもとにした代償金を記載する
  • 代償分割では「代償として支払う」旨の明記を忘れると贈与税の恐れがある

評価の基準時にも気をつけ、税務は税理士、法務は弁護士、登記は司法書士と、専門的な部分は分けて相談しましょう。

まずは、協議書の評価額の土台になる不動産の価値を、匿名査定で調べてみてください。

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