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実勢価格・時価・査定額の違い|どれが本当の価値?

不動産の価値を調べていると、「実勢価格」「時価」「査定額」といった言葉が出てきます。似ているようで、指すものが微妙に違います。

ざっくり言えば、実勢価格と時価はほぼ同じ「実際に売れる価格」を指し、査定額は不動産会社が予想した「これくらいで売れそうという見込み価格」です。

この違いを理解すると、自分で調べた相場と、査定で出た数字のズレに戸惑わなくなります。

この記事で3つの言葉を整理します。

3つの言葉の意味

実勢価格

実際に市場で売買が成立した価格、つまり「本当に取引された値段」です。

売り手と買い手の合意で決まるため、需要・周辺環境・タイミングによって変動します。

過去の取引事例を集めれば、そのエリアのおおよその実勢価格が見えてきます。

時価

「今売ったらいくらか」という現時点での市場価値を指します。

実勢価格とほぼ同じ意味で使われることが多く、明確に区別しない場面も多いです。

強いて言えば、実勢価格が「過去に実際に取引された価格」を指すのに対し、時価は「今の価値」を指すニュアンスがあります。

査定額

不動産会社が「この物件ならこれくらいで売れそう」と予想した見込み価格です。

過去の成約事例や市場動向をもとに算出されますが、あくまで予想であり、その価格で必ず売れる保証はありません

会社によって幅が出るのも特徴です。

ここがポイント

実勢価格・時価は「市場が決める価格」、査定額は「不動産会社が予想する価格」です。この2つの性質の違いを意識しておくと、数字のズレに惑わされなくなります。

関係を整理すると

3つの関係を一言でまとめると、次のようになります。査定額は「実勢価格(時価)を予想したもの」であり、実際の売却価格は最終的に買い手との交渉で決まる実勢価格に落ち着きます。

言葉意味誰が決める
実勢価格実際に取引された価格市場(売主と買主)
時価今売ったらいくらか市場
査定額売れそうな予想価格不動産会社

査定額はあくまで出発点で、実際の売り出し価格や成約価格(=実勢価格)とは差が出ます。査定額どおりに売れるとは限らず、市場の反応を見ながら調整していくのが現実です。

なぜ査定額と実勢価格がズレるのか

査定額と実際に売れる価格がズレる理由はいくつかあります。

査定は予想

査定は過去のデータからの推定で、実際の買い手の需要までは織り込めない。

会社によって差が出る

査定額は不動産会社ごとに幅がある。媒介契約をとるため高めに出す会社もある。

市場が動く

査定時点と売却時点で市況が変われば、売れる価格も変わる。

売り出し価格と成約価格は別

ポータルサイトの掲載価格は「売り出し価格」で、実際に売れた「成約価格」とは平均5〜10%の差が出ることがある。

注意点

ポータルサイトに載っている価格は「売り出し価格(希望価格)」であって、実際に売れた価格ではありません。長く売れ残っている物件ほど、売り出し価格が実勢価格を上回っている可能性が高くなります。

どれを基準にすればいい?

目的によって見るべき価格が変わります。

  • おおよその相場を知りたい → 実勢価格(過去の取引事例で把握)
  • 実際に売る価格を決めたい → 査定額を出発点に、複数社を比較して調整
  • 財産分与や遺産分割の話し合い → 実勢価格(時価)を基準にするのが実務

自分で相場を調べるなら、過去の取引事例(実勢価格)が最も実態に近い数字です。売却を具体的に考えるなら、その実勢価格を頭に置いた上で、複数社の査定額を比較する——この二段構えが失敗しにくい方法です。

よくある質問

自分で調べた実勢価格はどこまで正確?

過去の取引事例をもとにするので、おおよその相場観はつかめます。

ただし、あなたの物件固有の条件(室内状態・眺望・リフォーム歴など)は反映されないため、あくまで目安です。

正確な価値は現地を見た査定でないと分かりません。

査定額が実勢価格より高いのはなぜ?

媒介契約をとるために高めの査定額を出す会社があるためです。

高すぎる査定額で売り出すと売れ残り、結局値下げする羽目になります。

複数社の査定を比較し、実勢価格とかけ離れて高い数字は根拠を確かめてください

時価と実勢価格は使い分けが必要?

日常的にはほぼ同じ意味で使って問題ありません。

どちらも「今、実際に売れる価格」を指します。

厳密な文脈(税務や法律)では区別されることもありますが、相場を知る目的なら同じものと考えて大丈夫です。

具体例で見る:査定額から成約までの流れ

数字の動きを具体例で追ってみます。

あるマンションで、A社の査定額が3,200万円、B社が3,000万円、C社が3,100万円だったとします。

査定額だけで3社に200万円の幅があります。

ここで売主が高いA社に任せ、3,200万円で売り出したとしましょう。

しかし数か月経っても買い手がつかず、問い合わせを見ながら3,000万円まで値下げ。最終的に買い手と交渉して2,950万円で成約しました。

この2,950万円が実勢価格です。

当初の査定額3,200万円と比べると、250万円下がっています。

査定額はあくまで予想の出発点で、実際に売れる実勢価格は市場との対話の中で決まる——この流れを理解しておくと、査定額を過信せずに済みます。

自分で実勢価格を調べる方法

査定を受ける前に、自分で実勢価格の当たりをつけることもできます。過去に実際に取引された価格を調べられる公的なデータベースがあり、無料で使えます。

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格を地域・種別ごとに検索できます。また、レインズマーケットインフォメーションでは中古マンションなどの成約価格を確認できます。

これらで近隣の似た物件の成約価格を数件調べれば、そのエリアの実勢価格の相場観がつかめます。

この相場観を持った上で不動産会社の査定を受けると、提示された査定額が妥当かどうかを自分で判断できるようになります。

まず自分で実勢価格を調べ、次に査定で裏を取る、という順番が賢い進め方です。

ここがポイント

国土交通省の不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションは無料で使える公的データです。査定前にこれらで相場観を持っておくと、査定額が高すぎるか適正かを自分で判断できます。

「時価」は税金の場面でも使う言葉?

はい。

相続税や贈与税の世界でも「時価」という言葉が出てきます。

ただし文脈によって指すものが変わります。

相続税の計算では路線価などで評価しますが、遺産分割で相続人が財産を分ける際は「時価(実勢価格)」を基準にするのが実務です。

同じ「時価」でも、税額計算の場面と、分割・売買の場面では扱いが違うため、どの場面の話かを意識すると混乱しません。詳しい税務は税理士に確認してください。

言葉に惑わされないためのまとめ

3つの言葉を整理すると、実勢価格と時価は「実際に売れる価格」を指す仲間で、査定額はそれを「予想した見込み価格」だと分かります。相場を調べているときに複数の数字が出てきても、それが「実際に取引された価格」なのか「予想の価格」なのか、あるいは「売り出し中の希望価格」なのかを見分ければ、どれを信じればいいか判断できます。

特に、ポータルサイトの掲載価格(売り出し価格)と、実際に売れた成約価格(実勢価格)を混同しないことが大切です。

掲載価格は売主の希望であって、必ずしもその額で売れるわけではありません。

相場を正しくつかむには、希望価格ではなく成約価格を見るクセをつけてください。

売り出し価格と成約価格はどれくらい違う?

一般に、不動産ポータルサイトの売り出し価格と、実際に売れた成約価格には平均5〜10%の差があるとされます。例えば3,000万円で売り出された物件が、交渉を経て2,750万円前後で成約する、といった具合です。

売り出し価格は売主の希望を含んだ「上限に近い価格」で、そこから値引き交渉が入るのが一般的だからです。相場を調べるときにポータルサイトの価格だけを見ると、実際より高めに見積もってしまう点に注意してください。

まとめ

実勢価格・時価は「実際に売れる価格」、査定額は「売れそうという予想」——この違いを押さえておけば、数字のズレに惑わされません。相場を知るなら実勢価格、売る価格を決めるなら査定額を出発点に、と使い分けてみてください。

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