全国地価マップの使い方|4つの公的価格を一度に調べる
不動産の公的な価格を調べるとき、路線価は国税庁サイト、公示価格は別のサイト……とバラバラに探すのは面倒です。そんなときに便利なのが全国地価マップです。
一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する無料サイトで、公示価格・相続税路線価・固定資産税路線価などを地図上で一度に確認できます。この記事で、全国地価マップの使い方と、調べた価格の読み解き方を整理します。
全国地価マップとは
全国地価マップは、複数の公的な土地価格を地図上でまとめて調べられる無料のWebサイトです。
運営は一般財団法人資産評価システム研究センター。
個別のサイトを回らなくても、1つの地図で以下の価格を確認できるのが最大の利点です。
これらを地図上でクリックしながら確認できるので、「この土地の周辺の公的価格はどれくらいか」をまとめて把握したいときに役立ちます。登録不要・無料で使えます。
全国地価マップの使い方
基本的な手順はシンプルです。
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| 1 | 全国地価マップのサイトを開く |
| 2 | 調べたい価格の種類(固定資産税路線価・相続税路線価・地価公示など)を選ぶ |
| 3 | 住所を入力するか地図を拡大して対象地を探す |
| 4 | 道路に表示された数値(路線価)や標準地のポイントを確認する |
路線価は道路に沿って数値が表示されます。
単位に注意してください。
相続税路線価は千円単位(例:「200」なら1㎡あたり20万円)、固定資産税路線価は円単位で表示されるのが一般的です。
標準地・基準地のポイントをクリックすると、公示価格や基準地価の詳細が見られます。
相続税路線価の数値は「千円単位」です。
地図上の「200」は200円ではなく、1㎡あたり20万円を意味します。
固定資産税路線価とは単位が異なるため、確認する際は種類を切り替えて混同しないようにしましょう。
調べた価格の読み解き方
全国地価マップで分かるのは、あくまで公的な価格です。これらは実際に売れる価格(実勢価格)とは水準が違うので、読み解き方に注意が必要です。
目安として、相続税路線価は公示価格の約8割、固定資産税路線価(評価額)は約7割の水準です。
実勢価格は公示価格の1.1倍程度が目安ですが、人気エリアではさらに高くなります。
つまり、地価マップで調べた路線価をそのまま「売れる価格」と考えると、実態より低く見積もってしまいます。
公的価格から実勢価格の目安を出す
地価マップで相続税路線価が分かれば、実勢価格の概算も計算できます。「相続税路線価 ÷ 0.8 × 1.1 × 面積」でおおよその実勢価格の見当がつきます。
例えば1㎡20万円・100㎡の土地なら、20万円 ÷ 0.8 × 1.1 × 100㎡ = 約2,750万円が実勢価格の目安です。ただしこれは標準的な土地の概算で、形状や個別条件で大きくずれます。
地価マップで足りない場面
全国地価マップは公的価格を調べるのに便利ですが、これだけでは分からないこともあります。
実際の売却価格
公的価格と実勢価格は水準が違うため、売る価格は別途調べる必要がある。
物件固有の条件
路線価は道路についた標準的な価格で、間口の狭さ・不整形・日照などの個別事情は反映されない。
マンションの価格
路線価は土地の価格。マンションは建物価値も加わるため、地価マップだけでは把握しにくい。
公的価格で当たりをつけたら、実際に売れる価格は過去の取引事例(不動産情報ライブラリなど)や不動産会社の査定で確認するのが確実です。地価マップは「公的価格をまとめて見る入り口」として使い、実勢価格は別の手段で押さえる、と役割分担するのがよいでしょう。
よくある質問
全国地価マップは無料で使える?
無料です。
登録も不要で、誰でも地図上で公的価格を確認できます。
固定資産税路線価・相続税路線価・地価公示などをまとめて見られるのが強みです。
路線価が表示されない土地もある?
あります。
都市部から離れた地域では路線価が設定されておらず、「倍率地域」として固定資産税評価額×倍率で評価します。
この場合は国税庁の評価倍率表を併せて確認してください。
地価マップの価格で売却額を決めていい?
おすすめしません。
地価マップで分かるのは公的価格で、実勢価格より低い水準です。
売却額を決めるなら、過去の取引事例や不動産会社の査定で実勢価格を確認してください。
他の公的データサイトとの使い分け
全国地価マップ以外にも、公的な価格や取引情報を調べられるサイトがあります。
目的によって使い分けると効率的です。
全国地価マップは「公示価格・路線価・固定資産税路線価を地図上でまとめて見る」のに向いています。
一方、実際に取引された価格(実勢価格)を調べたいなら、国土交通省の不動産情報ライブラリが便利です。地域や物件種別ごとに過去の取引価格を検索できます。
中古マンションの成約価格ならレインズマーケットインフォメーション、路線価だけをピンポイントで見るなら国税庁の路線価図、というように、知りたい情報に応じて使い分けましょう。
まとめると、公的な評価額の全体像は全国地価マップ、実際に売れた価格は不動産情報ライブラリやレインズ、という役割分担です。両方を組み合わせれば、公的価格と実勢価格の両面から相場を把握できます。
地価マップを使うときの注意点
全国地価マップを使う際に気をつけたいのが、表示される価格の「時点」です。路線価や公示価格は毎年1月1日時点の評価で、公表は数か月後になります。
つまり、今見ている価格は少し前の時点のものです。地価が急に動いている時期は、実際の市場とのズレが大きくなる点に注意してください。
また、路線価は道路についた標準的な価格なので、あなたの土地固有の条件(角地・不整形・道路との高低差など)は反映されていません。あくまで「その道路沿いの標準的な土地の価格」として見て、個別の価値は査定で確認する、という使い方が正確です。
調べた価格をどう活かすか
全国地価マップで公的価格を調べたら、それをどう活かすかが大切です。
用途は主に3つあります。
1つ目は相続税の概算把握。
相続税路線価が分かれば、土地の相続税評価額のおおよそが計算できます。
2つ目は固定資産税の確認。
届いた課税明細書の評価額が妥当かを、固定資産税路線価と照らして確認できます。
3つ目が、売却を考えるときの相場観づくりです。地価マップの公的価格から実勢価格の目安を逆算しておけば、後で不動産会社の査定を受けたときに、その金額が妥当かを自分で判断できます。
「査定額が地価マップから逆算した目安と大きく違う」と気づければ、根拠を確かめるきっかけになります。公的価格は、査定額を鵜呑みにしないための「ものさし」として役立つのです。
スマホでも使える?
全国地価マップはスマートフォンのブラウザからも利用できます。外出先で気になる土地の周辺価格をその場で調べる、といった使い方も可能です。
ただし地図の細かい操作や路線価の数値確認は、画面の大きいパソコンの方がやりやすい場面もあります。
じっくり調べるならパソコン、外出先でのちょっとした確認ならスマホ、と使い分けるとよいでしょう。
いずれも無料・登録不要で使えます。
じっくり調べるならパソコン、外出先でのちょっとした確認ならスマホ、と使い分けるのがおすすめです。どちらも無料・登録不要で利用できます。
まとめ
全国地価マップは、バラバラの公的価格を1つの地図でまとめて調べられる便利なツールです。個別のサイトを何度も行き来する手間がなく、周辺の相場観を短時間でつかめるのが魅力です。
まずはこれで周辺の公的価格の当たりをつけ、実際に売れる価格は取引事例や査定で確認する——この使い分けで、効率よく相場を把握してみてください。
