SHARE:

不動産査定を複数社で見比べるコツ|高すぎる査定額の見抜き方

不動産を売るとき、「査定は複数の会社に頼んだ方がいい」とよく言われます。

でも、なぜ複数社なのか、出てきた査定額をどう見比べればいいのかは、意外とわかりにくいものです。

ここを間違えると、高い査定額に釣られて失敗することもあります。

この記事では、不動産を扱う会社の立場から、複数社の査定額の正しい見比べ方を解説します。

なぜ複数社が大切なのか、査定額のどこを見るべきか、高すぎる査定額の見抜き方まで、これ1本でわかるように整理しました。

まず匿名査定で相場観を持っておくと、この見比べがぐっと正確になります。

結論:金額の高さより「根拠」で見比べる

複数社の査定額を見比べるとき、いちばん大切なのは、金額の高さだけで選ばないことです。「いちばん高い査定額を出した会社」を選ぶのは、危険なことがあります。

見るべきは、その金額の「根拠」です。なぜその価格なのか、どんな成約事例をもとにしているのか、どう売る戦略なのか——これを具体的に説明できる会社が信頼できます。

実際、家を高く売れた人の多くが複数社に査定を依頼していますが、それは高い会社を選んだからではなく、複数社を比べて相場と根拠を見極めたからです。

ここがポイント

査定額は「高さ」ではなく「根拠」で選ぶのが鉄則。なぜその価格なのか、成約事例や販売戦略を具体的に説明できる会社こそ、信頼に値します。

なぜ複数社に査定を依頼するのか

そもそも、なぜ1社ではなく複数社なのでしょうか。

査定額は会社によってばらつく 同じ物件でも会社によって査定額はばらつく A社2,800万 B社3,000万 C社2,900万 D社3,600万 ←高すぎ 要注意

理由は、査定額が会社によってばらつくからです。不動産には定価がなく、会社ごとに査定の基準や、得意なエリア・物件タイプ、販売戦略が違うため、同じ物件でも査定額に数百万円の差が出ることがあります。

1社だけだと、その金額が高いのか安いのか、妥当なのか判断できません。複数社を比べて初めて、「だいたいこのくらいが相場」という範囲が見えてくるのです。

査定額を見比べるときのポイント

複数社の査定額が出そろったら、次のポイントで見比べます。

金額の「根拠」を聞く

各社に「なぜこの金額なのか」を質問します。

直近の成約事例を具体的に示せるか、その物件の強み・弱みをどう評価したかを、納得できるように説明できる会社が信頼できます。

根拠があいまいな高額査定は要注意です。

売却の「戦略」を確認する

その価格でどう売るのか、という販売戦略も重要です。売り出し価格の設定理由、広告の出し方、想定する買主層などを具体的に説明できる会社は、実際に売る力があります。

担当者の対応・実績を見る

最終的に売却を左右するのは、担当者の力量です。

対応の丁寧さ、レスポンスの速さ、そのエリア・物件タイプの実績を見ましょう。

宅建士の資格を持っているかも、ひとつの目安になります。

ここがポイント

見比べる際は「①金額の根拠」「②販売戦略」「③担当者の実績」の3点をセットで確認しましょう。この3つが揃って初めて、信頼できる会社かどうかを判断できます。

高すぎる査定額に注意

複数社を比べるときに、特に注意したいのが「1社だけ飛び抜けて高い」査定額です。

高い査定額は魅力的に見えますが、契約(媒介契約)を取りたいがために、わざと相場より高い金額を出す会社があります。目安として、純粋に査定額が高い会社は相場の1割増し程度ですが、2割増し以上になると、契約目的で吊り上げている可能性が高くなります。

注意点

高すぎる査定額でそのまま売り出すと、買い手がつかず売れ残り、結局「やっぱり値下げしましょう」と提案されて時間だけ無駄になるリスクがあります。他社より500万円以上高い査定額には、必ず根拠を確認してください。

ここで、事前に匿名査定や公的データで相場観を持っていれば、「この査定額は高すぎる」と自分で見抜けます。

見比べを正確にする準備

複数社の見比べを正確にするために、事前の準備が効きます。

それは、自分でも相場を把握しておくことです。匿名査定で概算をつかみレインズマーケットインフォメーション不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を確認しておく。

この「自分のものさし」があれば、各社の査定額が相場に対して高いか安いか妥当かを、自分で判断できます。

ものさしがないと、会社の言う金額を鵜呑みにするしかなくなります。

まず匿名査定で相場を知ることが、賢い見比べの土台になるのです。

具体例で見る、査定額の見比べ方

実際に複数社の査定額をどう見比べるか、具体例で見てみましょう。あるマンションを4社に査定依頼したケースです。

4社の査定額を並べる

A社2,800万円、B社3,000万円、C社2,900万円、D社3,600万円という結果が出たとします。

パッと見ると、いちばん高いD社に頼みたくなりますが、ここで立ち止まります。

A・B・C社は2,800〜3,000万円に集まっているのに、D社だけ3,600万円と飛び抜けています。

飛び抜けた査定額を疑う

3社が2,900万円前後で揃っているなら、相場はそのあたりと考えられます。

D社の3,600万円は、相場より2割以上高く、契約を取るために吊り上げている可能性があります。

事前に匿名査定で「3,000万円くらい」と相場観を持っていれば、「D社は高すぎる」とすぐ気づけます。

根拠を聞いて最終判断

残ったA・B・C社に「なぜこの金額か」を聞き、成約事例を具体的に示し、売却戦略や担当者の対応が良い会社を選びます。

仮にD社を選んで3,600万円で売り出しても、買い手がつかず、結局値下げして2,800万円で売れた、では時間の無駄です。

金額の高さではなく、根拠と信頼で選ぶのが、こういう場面での正解です。

よくある質問

査定は何社くらいに依頼すればいいですか

一般的には3社以上が目安とされます。

複数の一括査定サイトを併用すると、5〜10社の査定額を比較できます。

ただし多すぎると連絡対応が大変なので、まず机上査定で絞り、良さそうな数社に訪問査定を依頼する流れがおすすめです。

いちばん高い査定額の会社を選べばいいですか

そうとは限りません。

契約目的で相場より高い金額を出す会社もあります。

金額の根拠や販売戦略、担当者の実績を確認して、総合的に信頼できる会社を選んでください。

高すぎる査定額は、かえって売れ残るリスクがあります。

査定額が会社によってバラバラで、どれが正しいのですか

どれか1つが正しいというより、各社の金額のばらつきから「相場の範囲」を読み取ります。

極端に高い・低いを除いた中間あたりが相場に近いことが多いです。

事前に匿名査定で相場観を持っておくと、判断しやすくなります。

見比べの前に自分でできることはありますか

あります。

匿名査定で概算をつかみ、レインズマーケットインフォメーションなどで成約価格を確認しておくと、各社の査定額を冷静に判断できる「ものさし」になります。

この準備が、賢い見比べの鍵です。

机上査定と訪問査定は、どう使い分けますか

机上査定(簡易査定)はデータだけで出す概算で、まず複数社の傾向を知るのに向きます。

訪問査定は現地を見る精度の高い査定です。

おすすめは、まず机上査定で数社に絞り、良さそうな会社に訪問査定を依頼する流れです。

訪問査定は会社を選ぶ場でもあります。

地元の会社と大手、どちらがいいですか

一概には言えません。

地元密着の会社は地域の相場や買主情報に強く、大手は実績や販売ネットワークが豊富です。

両方に査定を依頼して、自分の物件を得意とし、対応の良い会社を選ぶのがおすすめです。

まとめ

複数社の査定額を見比べるときは、金額の高さではなく「根拠」で選ぶことが大切です。査定額は会社によって数百万円ばらつくので、複数社を比べて相場の範囲をつかみ、金額の根拠・販売戦略・担当者の実績を確認して、総合的に信頼できる会社を選びましょう。

特に、1社だけ飛び抜けて高い査定額(相場の2割増し以上)は、契約目的の可能性があるので要注意です。

事前に匿名査定や公的データで相場観を持っておけば、高すぎる査定額を自分で見抜けます。

まず匿名査定で「ものさし」を持つことが、賢い見比べの土台になります。

まずは、あなたの物件の相場を匿名査定でつかんでから、複数社の査定を見比べてみてください。

あなたへのおすすめ